多目的トイレに大人用ベッド(ユニバーサルシート)を
トイレ内大人用ベッド(ユニバーサルシート)の重要性の説明と情報のシェア、そして、なるべく多くのユニバーサルシート設置を目標に・・・
ありがたいことに、近年、多目的トイレ(誰でもトイレ・ユニバーサルトイレ)は、かなり多くの施設に普及してきました。
自分で(あるいは介助者によって)便座に移乗できる車椅子ユーザーは、
車椅子対応のトイレが目的地に一つあるだけで、安心して外出できます。
また、ベビーベッドのおかげで
外出先でおむつ替えが出来るお母さん達は、安心してお買い物に出かけられます。
オストメイト対応のトイレも増えてきました。
そんな中、需要がありながら、なかなか普及していないのが「大人用ベッド(ユニバーサルシート)」です。
横になっての交換・着替えが必要な方々にとって、無くてはならない大切な設備なのです。
しかし、このシートの必然性を知る人は少なく、実は私のような車椅子ユーザーですら知らなかったほどです。
ユニバーサルシートのあるトイレは非常に少ないばかりか、せっかく備え付けられても管理が面倒などの理由で撤去されてしまうケースもあるそうです。
ユニバーサルシートが必要な方々が、ユニバーサルシートのないトイレを利用しなければならない場合、どう対応しているのでしょうか?
なんと、トイレの床にブルーシートなどを敷いての交換や着替えを余儀なくされる事も多いそうです。
車椅子の高さから床への移乗、便座を見上げるような低い床にしゃがんでの介助、また床から車椅子への移乗・・・
介護する人・される人、双方にとって心身両面で非常にヘビーである事は想像に難くありません。
まだネット上での情報も少なく、名称も一定ではないようで、
ユニバーサルシート、大人用(大人サイズ)ベッド、多目的ベッド、介助シート、パブリックシート・・・などなど呼称が定まっていないのも、情報の拡散を妨げてしまっている一因かもしれません。
ピクトグラム(絵による表示)も、このタイプが一般的なようですが、
まだ決定的ではないように思います。
欧米などでも、赤ちゃん用のおむつ替えシートが「baby change」などと呼ばれるのに対して、大人サイズのユニバーサルシートは「Changing Table(交換台)」あるいは「Changing Seat」「Changing bench」・・・などいろいろな呼び方をされているようです。
最近は、さらに快適な交換スポットの指針として「Changing Place(チェンジング・プレース)」という考え方もスタンダード化し始めているようです。
こちらはイギリスのchanging-places(changing-places.org)という団体のサイトです。
changing-places
http://www.changing-places.org/
交換場所のあるトイレが必要な25万人超の方々のために2006年発足した、と書かれています。
障害当事者の他に介助者2名が付き添っても楽に介助できる広いスペース、ベッドと便座間はリフトによる移動が可能である事などまで奨励されているようです。
(近年欧米では、人力による移乗は事故につながるおそれがある、介助者の健康を損ねる、といった理由のため、リフトによる移乗が主流になりつつあるようです)
欧米のような恵まれた環境をすぐにというのは難しいかもしれませんが、
・公的な施設には必ず一箇所に設置
・公共性のある施設にもできるかぎり(現在の多目的トイレで空間に余裕がおればすぐにでも)設置
・少なくとも一地区に一箇所は設置
・そして、それがネットなどで簡単に検索できる
そんな環境を実現するのはそう難しい事ではないと思っています。
一つでも多くのトイレにユニバーサルシートが設置されますよう願ってやみません。
個室内の空間に余裕のある誰でもトイレ、これから誰でもトイレを設置予定の建物があれば、ぜひご検討をお願いしたいです。